ウイスキー用語辞典

『蒸溜所の帳簿』に登場する専門用語を全30項目、「このゲームでは」と「本物の世界では」の2つの視点で解説します。ゲームを遊ばない方が読んでも、ウイスキーの造りと味わいの仕組みがひと通りわかる内容です。

ニューメイク(原酒)モルトウイスキーグレーンウイスキーブレンデッドウイスキーピート(泥炭)カット(ミドルカット)蒸溜回数(2回・2.5回・3回)連続式蒸溜機ポットスチル(単式蒸溜器)もろみ(ウォッシュ)発酵槽(ウォッシュバック)樽のサイズ(クォーター〜バット)樽の材(オーク)新樽(バージンオーク)バーボン樽シェリー樽チャー(樽の内焼き)中古樽フィル(ファースト/セカンド/リフィル)天使の分け前(エンジェルズシェア)カスクストレングス加水(ボトリング度数)「40%」の壁(最低度数)シングルカスクボトラーズ飲み頃(ピーク)当たり年(ヴィンテージ)★当たり樽熟成庫三大品評会(WOE/SWW/KOW)

ニューメイク(原酒)

このゲームでは蒸溜したての無色の酒。樽に詰めてはじめて資産になり、3年ねかせるとウイスキーを名乗れる。

本物の世界では蒸溜直後のスピリッツはまだ無色透明。スコットランドでは樽詰め時の度数を63.5%に調整するのが伝統的な慣習で、このゲームの「63.5%」表記もそこから来ている。琥珀色も香味の多くも、このあと樽が与えるもの。

モルトウイスキー

このゲームでは大麦麦芽から造る、このゲームの主役。ポットスチル(単式蒸溜器)で造る。

本物の世界ではモルト=大麦麦芽(発芽させた大麦)のこと。単式蒸溜器で少量ずつ造るため個性が強く出る。ひとつの蒸溜所のモルトだけを瓶詰めしたものは「シングルモルト」と呼ばれる。

グレーンウイスキー

このゲームでは連続式蒸溜機で大量に造れるが、価値は低め。ブレンデッドの土台になる。

本物の世界ではトウモロコシや小麦など(大麦以外も含む穀物=グレーン)から連続式蒸溜機で造る、軽くクセの少ないウイスキー。単体で瓶詰めされることは少なく、多くはブレンデッドの「土台」として大量生産される。

ブレンデッドウイスキー

このゲームではモルトとグレーンの両方の原酒があると開発できる。帝国モードでは傘下の原酒を混ぜる上位版もある。

本物の世界ではモルトの個性とグレーンの飲みやすさを混ぜ合わせたスタイル。世界で売れているウイスキーの大半は実はブレンデッド。何十種もの原酒を混ぜて味を「設計」するブレンダーは、蒸溜所の花形職人。

ピート(泥炭)

このゲームでは焚くとスモーキーな原酒になり原料費が少し上がる。島の土地はピートの酒と相性がよい。品評会や一部の買い手に刺さる。

本物の世界ではヒースなどの植物が数千年かけて堆積した泥炭。麦芽を乾かす燃料に使うと、煙の香り(正体はフェノール類)が酒に移る。スコットランド・アイラ島のスモーキーなウイスキーが有名で、「正露丸のよう」と例えられる強烈な個性はファンを二分する。

カット(ミドルカット)

このゲームでは「狭い」は質重視(品質+・量85%)、「広い」は量重視(量100%・品質−)。

本物の世界では蒸溜で出てくる液体は、最初(ヘッド)と最後(テール)に雑味や有害成分が混ざる。真ん中のおいしい部分(ハート)だけをどこからどこまで採るか——この見極めが「カット」。狭く採るほど純度は上がるが、量は減る。職人の腕の見せどころ。

蒸溜回数(2回・2.5回・3回)

このゲームでは2回=定番、2.5回=最高品質だが収率と費用が重い(再々溜釜が必要)、3回=軽くクリーン。

本物の世界ではスコットランドの標準は2回蒸溜。アイルランドには3回蒸溜の伝統があり、軽やかな酒質になる。「2.5回」は留液の一部だけをもう一度焚く実在の変則製法で、複雑さと厚みを併せ持つ。回数が増えるほど純度は上がるが、個性は削れていく。

連続式蒸溜機

このゲームではグレーン原酒を桁違いの量で造れる装置。設置すると仕込み計画で「連続式」を選べる。

本物の世界では19世紀に実用化された、連続的に投入・蒸溜できる塔型の装置(発明者の名から「カフェ式」とも)。単式釜の何十倍も効率的で、ウイスキーを大衆の酒に変えた産業革命の申し子。

ポットスチル(単式蒸溜器)

このゲームではモルト原酒を造る銅の釜。初溜釜→再溜釜の2段構えで、容量が生産能力を決める。

本物の世界では玉ねぎ型の銅製蒸溜器。銅には雑味成分を吸着する働きがあり、釜の形や高さが酒質を大きく左右する——だから蒸溜所は釜を作り替える時、へこみまで忠実に再現することがあるという逸話も。

もろみ(ウォッシュ)

このゲームでは発酵槽で造られる蒸溜前の液体。発酵槽の能力が「もろみL/日」として生産の上限を決める。

本物の世界では麦芽の糖分を酵母がアルコールに変えた、度数7〜9%ほどの液体(ウォッシュ)。ビールの原型に近く、これを蒸溜して初めてスピリッツになる。発酵の時間や酵母の種類も味に効く隠れた個性の源。

発酵槽(ウォッシュバック)

このゲームではもろみを造る設備。生産チェーンの最初の関門で、ここが細いと釜が遊ぶ。

本物の世界では麦汁を発酵させる大きな桶。伝統的な木桶(オレゴンパイン製など)派とステンレス派に分かれ、木桶には乳酸菌が住み着いて複雑な酸味を生むと言われる。蒸溜所見学では巨大な桶が並ぶ迫力の見せ場。

樽のサイズ(クォーター〜バット)

このゲームではクォーター50L・バレル200L・ホグスヘッド250L・バット500L。小さいほど速く熟成し、蒸発も多い。

本物の世界では樽が小さいほど中身が木に触れる割合が増え、熟成が速く進む。バレルはバーボン由来、ホグスヘッド(語源は「豚の頭」とも言われる)はその改造樽、バット(500L)はシェリー由来の大樽——名前にもそれぞれの出自が刻まれている。

樽の材(オーク)

このゲームでは新樽・バーボン樽・シェリー樽・中古樽などから選ぶ。材ごとに熟成の速さ・価値・ピークが変わる。

本物の世界ではウイスキーの樽はほぼ例外なくオーク(楢)製。バニラ香のアメリカンオーク、渋みと果実味のヨーロピアンオークが二大勢力で、「ウイスキーの味の6〜7割は樽で決まる」と言われるほど影響が大きい。

新樽(バージンオーク)

このゲームでは標準的な材。素直な熟成で扱いやすい。

本物の世界では一度も酒を入れていないおろしたてのオーク樽。木の成分がダイレクトに出るためバニラや甘い香りが強く乗る。バーボンは法律で「内側を焦がした新樽」の使用が義務——だから中古のバーボン樽が世界中に出回る。

バーボン樽

このゲームではバレル/ホグスヘッドのみ選べる材。熟成・価値ともにひと回り良い定番の選択肢。

本物の世界ではアメリカでバーボンを熟成させた後の中古樽。バーボンは新樽しか使えない決まりなので、使用済み樽が大量に安く出回り、いまやスコッチの熟成樽の大半(9割前後とも言われる)を占める。バニラと蜂蜜の甘い香りが持ち味。

シェリー樽

このゲームでは高価だが価値の伸びが大きく、長く熟すほど上乗せが効く。シェリー樽ランキング部門もある。

本物の世界ではスペインの酒精強化ワイン「シェリー」を育てた後のオーク樽。レーズンやドライフルーツのような濃厚な甘みと深い色を与える。本数が少なく高価で、シェリー樽熟成のウイスキーはそれだけで高値がつくことも。

チャー(樽の内焼き)

このゲームでは技術Lv2で解禁される材。熟成が速く、ピークが少し早まる。

本物の世界では樽の内側をバーナーで焦がす処理。焦げ層が炭のフィルターになり雑味を取り、木の糖分がカラメル化して甘みと色を与える。焦がしの深さには等級があり、最も深いものは「アリゲーター・チャー」(ワニ皮状)と呼ばれる。

中古樽

このゲームでは安いが熟成がゆっくりで価値も控えめ。その代わりピークが遅く、超長期熟成向き。

本物の世界では何度か使われて木の成分が抜けてきた樽。個性がゆっくり乗るぶん、原酒そのものの持ち味を長時間かけて引き出せる。30年を超えるような超長熟ボトルには、あえて枯れた樽が選ばれることも多い。

フィル(ファースト/セカンド/リフィル)

このゲームではその樽に何回目の詰めかを選ぶ。ファースト=樽の個性が強く早熟・セカンド=バランス型・リフィル=超長期向き。

本物の世界では同じ樽でも「何回目の使用か」で味の出方がまるで違う。1回目(ファーストフィル)は前の酒と木の個性が濃厚に移り、回を重ねるほど穏やかになる。ラベルに「1st Fill」と誇らしげに書かれるのはそのため。

天使の分け前(エンジェルズシェア)

このゲームでは熟成中、中身は年約2%ずつ蒸発して減っていく(小さい樽ほど多い)。半分以下に減った樽は自動で統合される。

本物の世界では熟成中に樽から蒸発して失われる分を、昔の人は「天使が飲んだ取り分」と呼んだ。スコットランドで年約2%、暑い国では年10%を超えることも。長期熟成ボトルが高価な理由のひとつは、天使が何十年も飲み続けた残りだから。

カスクストレングス

このゲームでは加水せず樽から出たままの度数で瓶詰めする設計。適正価格が1.15倍になる。

本物の世界では樽出しそのまま・加水なしの高度数ボトル(50〜60%台が多い)。味が濃く、自分好みに水を足して「自分だけの度数」を探せるのが醍醐味。ファン向けの限定品に多いスタイル。

加水(ボトリング度数)

このゲームでは仕込み水で度数を整えて瓶詰めする通常の設計。40〜46%あたりが定番。

本物の世界ではほとんどの市販ウイスキーは、樽出し原酒(60%前後)に水を加えて40〜46%に調整して瓶詰めされる。加水すると香りが開く効果もあり、テイスティングでも数滴の水で表情が変わるのを楽しむ。

「40%」の壁(最低度数)

このゲームでは度数は熟成中に年0.4%ずつ下がり、40%を切った樽は商品に使えなくなる(樽売りやブレンド行きに)。

本物の世界ではスコッチやバーボンは法律で「アルコール40%以上」がウイスキーの条件。長期熟成で度数が下がりすぎて「ウイスキーを名乗れなくなる」事態は実際に起こる、長熟づくりの本当のリスク。

シングルカスク

このゲームでは技術Lv4で解禁。樽1本をそのまま限定ボトルに(価値約1.35倍)。★×飲み頃S以上が最高の狙い目。

本物の世界では複数の樽を混ぜず、たった1本の樽だけを瓶詰めしたもの。1樽から数百本しか取れない一期一会のボトルで、樽番号や本数がラベルに記される。同じ蒸溜所でも樽ごとに味が違う——その「個体差」を楽しむ、マニア垂涎のスタイル。

ボトラーズ

このゲームではたまに樽を買いにくる業者。良い樽なら市価の倍で買い取ってくれることもある。

本物の世界では蒸溜所から樽を買い取り、自社ブランドで瓶詰めして売る「瓶詰め業者」。蒸溜所公式(オフィシャル)と対をなす存在で、思わぬ蒸溜所の思わぬ長熟が世に出るのはボトラーズのおかげ。スコッチ文化の重要な脇役。

飲み頃(ピーク)

このゲームでは樽ごとにピークの年があり、近いほどランクが上がる(E〜SSS)。ピークを過ぎると下り坂。

本物の世界ではウイスキーは樽の中でだけ育ち、長いほど良いとは限らない。木の渋みが出過ぎる「過熟」もあるため、蔵人は樽ごとに「いつ瓶詰めするか」を見極める。ワインと違い、瓶に入れた後は熟成しない。

当たり年(ヴィンテージ)

このゲームではまれに「当たり年」が裏で仕込まれ、その年に詰めた樽が10年熟成に達すると判明。全樽が★化し味1.3倍。

本物の世界では大麦の出来や気候で「当たり年」が生まれるのはワインと同じ。蒸溜年がラベルに刻まれた「ヴィンテージもの」は、その年の記憶を閉じ込めたタイムカプセルとして愛される。

★当たり樽

このゲームでは樽詰め時に約1割で生まれる、化ける可能性を秘めた樽。飲み頃S以上に届くのは★だけ。自動ロックで取り置ける。

本物の世界では同じ日に同じ原酒を詰めても、樽ごとに味は驚くほど違う——これは現実の話。倉庫の置き場所や樽の木目ひとつで差が出る。蔵人が試飲を重ねて「化けた樽」を見つけ出し、シングルカスクや高級品に回す。

熟成庫

このゲームでは樽の置き場。棟数と容量が上限で、いっぱいになると自動樽詰めが止まる(増設で再開)。

本物の世界では伝統的な土間に樽を3段積みする「ダンネージ式」と、高層ラックの「ラック式」がある。海辺の熟成庫は潮の香りが移るとも言われ、同じ原酒でも眠る場所で味が変わる——熟成庫そのものが個性の一部。

三大品評会(WOE/SWW/KOW)

このゲームではWhisky On Earth(4/15)・Super Whisky World(7/20)・King of Whisky(10/10)。技術Lv5から出品でき、受賞は名声と販路を大きく伸ばす。

本物の世界では現実にも世界的な酒類コンペティションが複数あり、金賞ラベルは売上を大きく左右する。無名の蒸溜所が品評会をきっかけに世界的人気になる「シンデレラストーリー」は実際に何度も起きている。

用語はゲーム中でも読めます

ゲーム中の用語には控えめな点線の下線がついています。押すとその場で同じ解説が開き、進行は妨げられません。読んだ用語は記録され、実績「言葉を知る酒徒」「歩く蒸溜所事典」につながります。

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